とても大切な仕上げ塗装のはなし

 

■木から木材になるには?

無垢材でつくられている家具は、

森に入り大きな木を切り倒してそのまま家具になるのでしょうか??

答えは、「NO」です。

なぜなら、切り倒したばかりの木の中には沢山の水分が含まれていて、
そのまま作ってしまうと乾燥により材はどんどん痩せてガタガタになってしまいます。

 

■木材は「乾燥」と「仕上げ塗装」がとても重要。

家具に適した状態まで水分を抜き、乾燥をさせてから使用されます。

それでも木が生きてきた年数分呼吸し続けると言われていますので
無垢材の家具に欠かすことの出来ないのは、適した水分量を保つ為の「仕上げ塗装」です。

■仕上げ塗装の見た目のイメージ

以前にも『ダイニングテーブルの仕上げについて』の中にも、「オイル仕上げ」「ウレタン仕上げ」についての特徴についてお話しましたが、みなさんはオイル仕上げのイメージ、ウレタン仕上げのイメージはどんなものでしょうか??

「オイル仕上げは木目が触感からも感じられるナチュラルな仕上り」

「ウレタン仕上げはプラスチックを拭いているのでツヤツヤして人工的」などでしょうか。

高度成長期に作られた家具たちは乾燥の時間が間に合わない程量産されていましたため
木の呼吸を止める為に分厚くウレタンを巻いていたと言われています。

そのため今でも人工的な光沢のイメージが強いように思います。

そんなウレタン仕上げですが、仕上げにもいくつか種類がありツヤの違いもあるのはご存知でしょうか?

■木目を残したウレタン仕上げとは?

乾燥や塗装の技術は時と共に進化しより自然に見えて水に強く汚れも拭き取りやすい仕上げ方法が出てきました。

【仕上げの種類】

・浸透仕上げ(マイクロフィニッシュ)
木材の内部に浸透系塗装(オイル)を染み込ませた仕上げ方法。
木の導管を埋めないので木肌感が感じられる仕上がり。

 


・オープンポア仕上げ(目はじき仕上げ)
「ポア」とは導管のことで、導管埋めない塗膜(=オープン)にした塗装です。
塗膜塗料(ウレタン)を使用します。木肌が感じられますが汚れが詰まることも。

 


・セミオープンポア仕上げ(準目はじき仕上げ)
導管を完全には塞がずに木肌感も残した仕上げ。
オープンポアの汚れの詰まりやすさも改善し自然の質感も残しています。
こちらも塗膜塗料(ウレタン)を使用します。

 


クローズポア仕上げ(鏡面仕上げ)
完全に導管を塞いでいるのでつるっとした触り心地。
こちらも塗膜塗料(ウレタン)を使用しています。

鏡面仕上げはツヤの違いでピカピカにすることもマットにすることも出来ます。表面塗装の光沢の違いによってもかなり印象が変わってきます。

 

【光沢の違い】
〈艶消し〉 全消し/7分消し/5分消し/3分消し

〈艶出し〉 全ツヤ有/鏡面磨き

 

ひとつにウレタン仕上げといっても家具によって触り心地が違います。是非家具選びの際には実際に質感を確かめてみて下さい。