部屋の印象を決めるのはソファではなく、リビングチェアと言っても過言ではありません。
住宅の狭小化などにともない、徐々にその魅力が再注目されています。
部屋をシャツに例え、シャツの色をソファだとするならば、リビングチェアは胸のワンポイントです。
ワニであるか、タツノオトシゴであるか、はたまた馬に乗った騎手であるかによってシャツの印象はがらりと変わります。
様々な種類があるリビングチェアの中から今回は、前回に引き続き4タイプをご紹介いたします。
自分だけが座り・寛ぐ椅子という特別な時間は、リビングチェアでしか味わえない贅沢です。
■半世紀の時を越えるデザイン
CH-0012 CH44 by Hans J. Wegner
まずは言わずと知れた巨匠ハンス・J・ウェグナーの名作「CH44チェア」です。
1965年に発表されたデザインですが、今なお愛され続け時代を感じさせません。
座にはもともと農作業用に使われていたものを座編みに転用したペーパーコードを採用し、夏は涼しく冬暖かく非常に優れた素材です。
専用のクッションもあります。
18世紀イギリスの様式家具をルーツとするこのチェア、シンプルなデザインですが単品で置くチェアとしてはこれ以上ない美しさがあります。
■日本の技術が生み出す美しいライン
アームが特に印象的なこちらのチェアもまた、ひときわ目を引く逸脚です。
Inoda+Sveje(イノダ・スバイエ)がデザインし日本の職人が作り出す美しいラインは、唯一無二の存在感を持ちます。
とにかく一度手で触れていただきたいチェア。
特筆すべきアームの美しさはもちろん、背の留め具に真鍮を施しアクセントとしています。
背面の、それも留め具にまで妥協をしない拘りがうかがえます。
またこの留め具は外せ、ノックダウンすることも可能。
■「特等席」に相応しい掛け心地
縦に伸びた極細いスポークが美しいイージーチェアですが、見た目以上に掛け心地が秀逸です。
身を委ね目を閉じれば、深い眠りにつくまで長くはかからないでしょう。
特等席と呼ぶに相応しい深い安楽性を味わえます。
極限まで細く研ぎ澄まされた背のスポークは圧迫感を軽減してくれるだけでなく、木に腰掛けている事を忘れるくらい背当たりが良好です。
汚れやすいヘッドレストが着脱できという点も、嬉しいポイント。
■自由に座る、自由を楽しむ
最後にご紹介するのは、一見くつろげなさそうなチェア。
しかし、上の3タイプと大きく異なる機能性をもっています。
それは「胡坐(あぐら)がかける」ということ。
決められたポケットに深く腰掛け、安らぎの時間を過ごすというのももちろん素晴らしいことですが、このチェアのポイントは自分で好きな態勢がとれる点です。
座・背ともに広くとり、アームを前面まで延ばさないことで自由なシートポジションが作れます。
様々な座り方をしたい人には最適なチェアです。
BRUNCHではこの他にもたくさんのリビングチェアを取り扱っています。
ひと口にリビングチェアといってもその形、目的、掛け心地は様々。
ぜひ店頭で実際に触れて、腰かけてお試しくださいませ。