木の魅力をそのままに表現した一枚板。
自然が作り出した芸術ともいえる美しさ・迫力からなる存在感は、多くの人々を魅了します。
そんな一枚板のテーブルについて、よくご質問いただくことがあります。
それは価格の違いについて。
「こっちのテーブルの方が小さいのに、大きなテーブルよりも価格が高いのはなぜ?」などなど。
実は一枚板の価格は、一般的なテーブルとは少し違った決め方がされることがあります。
その理由を知ることで、一枚板選びがもっと楽しくなると思いますのでご紹介します。
1.状態
木には成長過程で付いた傷や節、割れなどがあります。
一般的なテーブルの場合は、これらの部分を取り除くことは可能ですが、一枚板の場合はそれができません。
そのため、仮にまったく同じ板が2枚あったとすると、それらの有無によって金額は変動してきます。もちろん節や割れなどがない方が市場価値は高くなりますが、それ自体が木が途方もない時間を生きてきた証であり、表情の一部として捉えることもできるため、一枚板の場合は価格に変動はあっても一概に欠点とは言えません。好みにあわせてお選びいただければと思います。
2.サイズ
一枚板のテーブルの場合はダイニングテーブルに必要なサイズをとるためには少なくとも樹齢100年以上は必要になります。
特に大きなサイズほど数は少なくなるため、非常に価値が高まります。
また幅・奥行きに加えて、厚みも価値に影響を与えます。幅・奥行きが同じサイズでも厚みがあるほど一般的に価値は上がります。
3.杢
上記2つはある程度予想がつく内容でしたが、この「杢」はあまり知られていないかもしれませんね。
簡単に説明すると、杢とは木目とは別に現れる模様のようなもので、自然から様々な影響を受け不規則に生成した木によく見られます。
杢にはたくさんの種類があるのですが、一枚板で杢が比較的多くみられる木はトチです。
トチは写真の「縮み杢」を非常に多く見ることができます。
残念ながら写真ではうまく表現できないのですが、実際にこの部分をご覧いただくと、陰影がついて本当に立体になっているのか錯覚するほどです。こういった杢は装飾的価値があるとされています。
4.その木ならではのポイント
木にはそれぞれ違う特徴があります。それは色合いだったり木目だったりといろいろですが、たとえばトチの場合は色合いに影響されます。
トチの色合いは大きく分けると「金色のような光輝く色合い」「白く光る色合い」「赤みを含む色合い」に分けられますが、トチは白い部分に高い価値があるとされています。特に全体が白い「白トチ」はとても価値があり、なかなかお目にかかることはできなくなっています。
たしかに綺麗ですね。
光り輝くようなトチも人気があります。
モンキーポッドは比較的木目がはっきりしたものと白太(両端)のコントラストが強く明るい色のため、白太が綺麗なものが人気です。
モンキーポッドに関しては天板の数が多いため、現在はそこまで価格に影響を与えるわけではありませんが、今後数が少なくなれば価格にも影響を与えるかもしれません。
以上のことを総合的に判断し一枚板は価値が決められるため、中には小さいサイズの一枚板が大きなサイズの一枚板より高くなるケースもでてきます。より綺麗で厚みもあり杢が入っていれば、小さいサイズでも高くなるということですね。
一枚板の性質として世の中に一点しかないこと、一枚一枚の印象が大きく異なることから、さまざまな要因によって価格が決まるということが以上のことでお分かりになると思います。もちろん大半はサイズと綺麗さによるのですが、こういった細かな部分にこだわって一枚板のテーブルを選んでみるのも面白いと思います。
最後に余談ですが、接ぎ合わせのテーブルに使用する板には等級(グレード)があります。
これは国産/輸入材、広葉樹/針葉樹など、それぞれに基準が異なるのですが、例えば輸入材で広葉樹のウォールナットの場合は、
FAS/FAS One Face/セレクト/プライム/No.1コモン/No.2コモンといった具合に分けられています。
板の大きさ、一枚の板からクリアー材(節なし)が程度とれるのかなど、定められた条件ごとに区分けされており、同じウォールナットを使用したテーブルでも材料のグレードにより価格が変わってきます。
それぞれのとれる割合はFASグレードが約10~25%、NO.1、NO2が残り約75~90%のため、FASグレードの価値がよく分かります。
ちなみにTA-0154 50mm厚テーブルは最高品質のFASグレードを使用していますので、こちらもどうぞ実際にご覧いただければと思います。