ダイニングテーブルのつくり方。

お引越しなどのタイミングで家具を探す際に、優先順位の高いもののひとつがダイニングテーブルではないでしょうか。食事をしたり、仕事をしたり。たまに趣味で蕎麦を打ったりするそのテーブルは、どのように作られているのでしょうか。

 


→TA-0008ダイニングテーブル

BRUNCHで大人気のダイニングテーブルがこちら。もはや、これ以上削れる要素はないくらい、とてもシンプルで美しいダイニングテーブルとなりました。

しかし、「脚を天板につけるだけで、つくるのは簡単なんじゃないの?」という疑問がでてきます。

「ただの板に脚をつけるだけでそんなに金額がかかるの?」と思われる方もいるかもしれません。

では、家具製作の現場をちょっとだけ覗いてみましょう。

戦後の高度経済成長期に日本の家電で言われた「3種の神器(テレビ、冷蔵庫、洗濯機)」のように、木工所にも3つの機械があれば最低限の製作はできる、というものがあります。

それがこちら

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手押しカンナ盤

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自動カンナ盤

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そして、昇降盤。

この三つです。

では、それぞれの機械がどのように使われているのか、荒材から製材していく過程を踏まえながら簡単にご紹介いたします。では、荒材を用意しましょう。
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手押しカンナ盤
通称「手押し」と木工の現場では呼ばれていますが、この機械はある一面を平坦にする機械です。

写真中央部分に回転している刃物があり、上から材料を手で押し当て、真っ平にします。これを、面(めん)を出す、と言います。

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まず一辺を平らにし、材料を90度回転させて、先ほど削った面を今度は横の定規に押し当てながらもう一辺を削ると、削った二辺が直角になります。荒材の状態ではデコボコしている材料の2辺を平らに、そして直角にすることで、この部分を基準にし、正確なパーツどりを始めることができます。

自動カンナ盤
そして2つめは自動カンナ盤、通称「自動」ですが、これは厚みを削る機械です。
手前に材料を差し込むとベルトコンベアのように自動的に送り出して削り、向こう側に出てきたときには任意の厚みに加工してくれているという機械です。
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通常刃物は上部分についていて、下の台を上下して厚みを決めます。寸法はデジタルな数値を入力するものや、大まかな目盛りが付いていて、勘で操作(!)するものなどがあります。

手押しカンナ盤で平らにした面を下にし、差し込みますと、上下の厚み方向に平行な材料が出来上がります。


ちなみに、「カンナ」と名前の付く機械は概ねカミソリのように幅のある刃物が回転して、力強く削ってくれるものが多いように思います。

さて、これで、材料の3面の寸法が決まりました。つぎの作業でパーツが出来上がります。

昇降盤
テーブルの部分にスリットがあり、そこから刃物が出ていて材料を切ってくれる機械です。
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刃物が上下するもの、テーブル部分が上下するもの、台の部分が傾斜をつけられるものなど、様々ですが回転する刃物(丸ノコのような刃物)で切断していきます。

テーブル部分に付いている定規にまっすぐな面を押しあて、寸法の位置にある刃物で切り、幅をきめます。

これで、パーツが完成しました。

作るものなどにもよりますが、概ね、寸法は0.1~0.3ミリ単位での精度で作業します。温度や湿度で寸法が変わる木工においては、加工時点での寸法がすべてではありません。経験と知識が、その製品の品質に直結するので、長年の勘や想定される使用方法などへの想像力はとても大切な要素となり欠かせません。

さて、パーツはできました。
これらを接着剤とプレス機などで接ぎ合わせ、天板や脚などを製作していきます。

基本的な順番は上記の通りですが、実際の製作過程においては効率よく製作するために作業内容は前後します。

もちろんこの三つだけでも加工はできますが、木工所はお仕事の場所。
いかに効率よくスピーディーに綺麗な加工ができるかで仕事のクオリティが変わってきます。そのためにその木工所で受ける仕事によって買い足していく機械はかわります。
一般的にここにプラスしてよくあるのが、パネルソー。
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パネルソーはホームセンターのカットサービスのコーナーなどで見たことがある方も多いのではないでしょうか。回転する丸ノコのような刃物が上から下に降りてきて、大きなベニア板やコンパネなど、長尺ものをカットできます。

テーブルの製作においては、この機械で最終的なテーブルのサイズである、幅(W)x奥行(D)の寸法が決まります。

そして、横切り盤。
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横切り盤、通称「横切り」は、写真右側の台が写真向こう側に動いてくれ、固定されている丸ノコのような刃物で材料を切っていきます。長い棒状の材料の長さを切るのに主に使われます。

この機械で脚の長さを切って、テーブルの高さ(H)が決まります。

そして現在ではかなり珍しい機械になりますが、こちらも。

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なんの機械だかこれだけだとわかりませんね…

この機械は「面取り盤」と言って、テーブルの面などを削る機械です。
テーブルの面形状を削ったり、建具の面を作ったりもできます。

この機械を使って作った面がこちら。
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刃物を交換すれば様々な面形状を作ることができます。こちらの機械でテーブルの面形状を削り出すことができます。

現在ではとても珍しい機械となりました、と、書きましたが、ではなぜ今面取り盤が無くなってしまっているのか、それはこれらの機械の台頭です。

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NCです。
コンピューター制御のこの機械の登場でかなりの種類の木工機械が姿を消しました。たくさんあるヘッドの部分。ここに様々な刃物を取り付けて様々な加工をします。

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そしてNCにもいろいろな種類があります。

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ヘッド自体が可動し加工を変更できるもの

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箱状の機械に材料を入れて、アームが加工してくれるもの。
材料を交換する手間すらないものもあります。

これらコンピューター制御のNC機械は、面形状や脚の成型、脚の取り付け金具の加工やネジ穴の加工など、多くの場面で活躍します。

以上、工房では、ご紹介した様々な機械を適材適所に配置し、安全に効率よく精度を高めて、何より心を込めて製作しています。簡単そうに見えるテーブルであっても、これだけの工程を経てみなさまのお手元にお届けしています。

もちろんこの作業のほかにも、木を伐採し、乾燥の工程を経て、加工、そこから運搬し、店頭に並ぶ。お客様のご自宅へご配送し、組み立ててご納品する。BRUNCHはひとつひとつの家具を最高の「木との暮らし」のために、お手伝いできたら幸いです。

※ここで紹介している機械、加工等の写真、工程等は、木工の現場における一般的な例であって(株)BRUNCHとその製品に直接の関係はございません。