今回は「テーブルの脚の固定方法」にスポットをあて紹介していきたいと思います。
昔は天板と脚が取り外し不可の一体にする方法が用いられてきましたが、搬入が困難になるなどの理由から、近年ではほとんどのテーブルが脚の取り外しが可能となっております。
その固定方法は大きく分けて2種類に分類されます。
ひとつは天板裏に取り付けた幕板を介し天板と固定する方法
もう一方は天板裏に独立して固定する方法です。
幕板を介した取り付けは昔からある一般的な手法で、現在もそういった仕様のテーブルは多くあります。
「幕板」については別のブログで紹介していますので、詳しいことはそちらをご覧いただくとして、幕板の主な目的は
■強度を持たせる
■反り止めの役割を果たす
ことが挙げられます。このように幕板は構造面における役割が中心ですが、BRUNCHでは幕板自体にデザインを加えたり機能を持たせているテーブルもございます。
幕板の位置やデザインが変わるだけで視覚的に印象が大きく変わりますね。
たいして単独での固定方法は、近年の金物技術の発展によりいろいろな方法が普及してきています。
その代表が先ほど写真でご覧いただいた「レッグジョイント」なる固定用の脚金物です。
レッグジョイントの最大の特徴は幕板を必要としないことです。
天板裏と脚の根元に対の金物を取り付けボルトで固定するため、単独で固定することができます。
図のようにボルトを締め付け、脚と天板の面接点で締結強度をとっています。さらに脚に干渉するものがないため、今まで以上にさまざまな脚の形状に対応できるようになりました。
たとえば下の2枚の写真。
同じ写真に見えますが、ひとつだけ違いがあります。
それは幕板の有無。
レッグジョイントなど単独で天板に固定する方法であれば、非常にすっきりとした印象のテーブルになります。
さらに反り止めも埋め込み式にすることで天板下に遮るものがなくなるため、幕板ありのテーブルでネックになっていた「アームチェアを合わせたい」「脚を組みたい」といった場合にも非常に有効な構造です。
これだけ見ると、すべてレッグジョイントにした方がいいのでは?と思いますが、必ずしもレッグジョイントが有効というわけではありません。
たとえば天板の厚みがあまりない場合、テーブルが横に長いと「たわみ」が生じてしまう場合がございます。そのため上記の条件の場合は幕板など、たわみ防止の補強材が必要になります。
天板厚27mmのすっきりとしたTA-0231テーブル。最大の長さW1800mmでお作りする場合は天板裏に補強材が入ります。
では「大きなテーブルは幕板なしではできないの?」となりますが、
天板に厚みがある場合は幕板なしでも大きなサイズでお作りすることができます。
同じシリーズの天板厚38mm TA-0067テーブル。幕板なしで最大2350mmまでお作りすることができます。
少し脚から話は逸れますが、天板は厚みが増すと印象も価格も変わります。
たとえば幕板のない27mm/38mm厚、幕板ありの27mm厚の3種類のダイニングテーブルをレッドオーク無垢材・4人掛けの目安となる1500mm×800mmで比べるみると、
TA-0008 38mm厚テーブル ¥174,960(税込み)
27mm厚テーブル(幕板なし) ¥133,920(税込み)
TA-0215 27mm厚テーブル(幕板あり) ¥120,744(税込み)
27mmと38mm厚では約10mm厚みが違うため材積(木材の体積)は1/3変わりますので、価格で差が表れます。
たった10mmとお思いになるかもしれませんが、実際にご覧いただくとその差は大きく、テーブルの印象を大きく変えます。
スタイリッシュなテーブルがお好きであれば27mm厚が、存在感・重厚感をお楽しみいただくには38mm厚がおススメです。
ただやはり価格の部分が気になる、そんな時は27mm厚に幕板を付けてみると、38m厚に負けない存在感・重厚感を感じつつ価格はかなり抑えることができます。
その代わりとして前述した「チェアの肘が当たる」「脚が組めない」という幕板の悩みが生じます。
この比較から見ると、結局のところは脚の固定方法から生じるテーブルの構造には、それぞれに良さがあり、足りない部分を補完する関係にあることがわかります。
まとめると
【幕板あり】
・構造上、安定感がある
・天板に厚みがなくても存在感・重厚感を演出しやすく、大きなサイズのテーブルを選べる
・チェアの肘や脚を組む際にはネックになる
【レッグジョイント】
・天板下に障害がなく、すっきりしたデザインにできる
・天板にある程度の厚みがあるものであれば、幕板なしでも大きなサイズのテーブルをお選びいただける
・天板に厚みがない場合は補強材無しでは揺れたりたわむ可能性があるため、選べるサイズが限定される
今回は27mm厚/38mm厚/幕板の有無で比較しましたが、テーブルとしての強度はもちろんすべて問題はございませんので、あとはどの部分を重要視するかによってテーブルをお選びいただければと思います。